反省だけなら猿でもできる。

自衛隊イラク派遣の話が持ち上がった時点から、こういった事態は容易に想像できたはずだ。
それなのに、いざ今回のようなテロ?を受けるとそれまでは自衛隊派遣に反対のはの字も見せなかった人々が、
「今すぐ自衛隊を撤退させろ」や「イラク派遣は間違っていた」だと声を上げる。
恥かしくないか?
そんなに政府の揚げ足を取りたいのか?
それとも(表現が悪いが)悲劇のヒーロー・ヒロインに同情したいのか?


それとこれは、はっきり言って口にしてはならないことかもしれない。
しかし、私は言わずにはいられない。


残された御家族の方々が多くのTVカメラの前で涙ながらに、
「早期に自衛隊を撤退させて欲しい」と主張するのはやめてもらいたい。


この言葉の真意を説くために整理しておきたい。


前述のとおり、このような可能性があることは、あらかじめ分かっており、
現地に赴く人間には、その覚悟がなければ行ってはならない。
というよりむしろその覚悟がない人間は無理だろう。
その覚悟は家族や友人にも言える。
もし、そんな危険な地へ行って欲しくないのであれば、力ずくでも止めなければならない。
あとから危険な状況になったからといって、誰か責めるのはお門違いである。
それが家族や友人の覚悟であり、責任だと思う。
その責任に付随して。
残された家族の言動や行動は、逐一マスコミが報じる。
つまり、その一挙手一投足が世論に大きな影響を与えるのだ。
その家族が、多くのマスコミの前で堂々と「自衛隊を早期に撤退させて欲しい」と主張するのはあまりにも虫が良すぎる。
確かに「何も聞かされてなかった」という事情はあるにせよ、国は何億という税金をつぎ込んでまで、
「復興支援」という大義名分を遂行するために大英断を下した。
そこまでに様々な紆余曲折があったにせよ、国家の決断としてイラク派遣は決まった。
それに際して、当事者である自衛隊員、及びその家族にも様々な思いを胸に、
はるか中東の地へと見送ったに違いない。


そこまでの過程を無視するような発言はフェアではない。




以上である。

断っておきたいのだが、私は右、左とかは一切分からない。
ごく普通の生活を営む一大学生だ。
その私が、この現実を目にし、感じ、考え、そして発した。
冷たいと非難される方もいらっしゃるだろうが、私は幸か不幸か当事者ではない。
誰かが言っていた。

人間は人の不幸を見て、自分の幸福を確かめる生き物だ

それじゃあんまりだ、という意見ももっとも。私も承知している。
矛盾に矛盾を重ね、答えが見えないような事態であることも分かっている。
しかし、ひとつだけ確かな事は、今、私はここに生きており、この現実を目の当たりにし、このように思ったことだけだ。



一刻も早い、人質解放並びに平和を心より望む。