器用な横着者

駅近くに停めてた自転車に乗ろうと、隣にあった電話ボックスの中に変な体勢でうずくまってる60代くらいの婆ちゃんがいた。
その体勢がなんとも奇妙で、加えてボックス内に上着や荷物が散乱していたので、なんかヤバい気がしてそそくさと乗っていこうとした。
そしたら、いきなり扉が開き「地下鉄の3番出口はどっちだい」と聞かれた。
ちょっと慌てたけど、普通の婆ちゃんだった。
あの変な体勢はボックスの中で靴紐を結ぼうとしていただけだったらしい。
上着が散乱していたのは中が暑かったから。
荷物も散乱していたのは探し物をしていたから。
横着者のお手本を見た気がした。