終末のフール

終末のフール

終末のフール

読了。
凄く久しぶりにハードカバー小説を読んだ。
「8年後に小惑星が落ちてきて地球が滅亡する」ことが発表されて五年が経った仙台のとある団地が舞台。
あらすじとかは他所様で見ていただくとして、個人的には寡黙なキックボクサーが主役の「鋼鉄のウール」が一番面白かった。
寡黙で愚直で不器用なキックボクサー・苗場の生き方が魅力的でとても好きになった。
中でも特に印象に残った苗場の言葉がこれ。
世界が終わる時、どうしているかという問いの答えは「変わりません。」
明日死ぬのに練習するなんて、可笑しいと笑う対談相手(俳優)に苗場はこう続ける。

「明日死ぬとしたら、生き方が変わるんですか?」
「あなたの今の生き方は、どれくらい生きるつもりの生き方なんですか?」

胸の深いところにグサリと刺さった。そして痺れた。
あと、読み終わり表題の意味が分かる瞬間がとても心地よかった。
あーもっと本を読もう。
【リンク】伊坂幸太郎「終末のフール」インタビュー/s-woman.net