本能か偶然か

僕は地震の起きる三分ほど前になぜか目覚めていました。普段は人に起こされてもなかなか起きないタイプなのですが、その日はなぜか目が覚めてしまいました。目覚まし時計を見るとまだ6時前で「なんでこんな時間に目が覚めんねん、もっかい寝よ」と再び眠りにつき、うつらうつらしている時に地震は訪れました。ドシンという大きな縦揺れに続き、強い横揺れ。ほんの数秒だったのでしょうが、身体に感じた揺れはとても長く、驚きで声も出ず、何かにしがみつこうしてはいたものの成す術なく体は固まっていました。その時とっていた体勢は今でも覚えています。そして、それが地震だったと認識するまで、だいぶ時間がかかりました。同級生の中には近くに大きな竹薮があり地震には気づかなかった者や、山手に住んでいる友人の家からは南の空(市の南側に大きな製鉄所があり、大きな火災が起こっていた)が真っ赤に染まっていた
後でそのことを妹に話したところ、妹もほぼ同時刻に目を覚ましていたそうです。
今年起きたスマトラ沖地震でも動物達の死体がまったく見当たらないという報道や、阪神淡路大震災の時も、あちこちの飼犬が急に遠吠えしたりしたという話も聞くと、人間にもまだ本能のようなものが残っているのかな、と思ってしましました。